CLUSH HONEY~V系彼氏と、蜜より甘く~
「あなたたち……3人全員で、キリトを……?」
信じられないような思いで、揃う顔を見回す。
「…キリトは、必要だからね…あの子がヴォーカルになったことで、キールも売れるようになったんだし…」
エンジュが話すと、
「……そう、あいつがヴォーカルになって、バンドは売れたが……
……でも、俺は、あいつをキールのヴォーカルとしては、
絶対に認めない……」
シュウがそう続けて、睨みつけてきた。
「……そんなの、キリトの方がヴォーカルにふさわしいって、受け入れたくないだけじゃない……」
「黙れよ…」
シュウが、再びナイフの刃先を向ける。
「キールは、俺たちの……俺のバンドだ。あいつのもんじゃない……」
「……キリトは、自分のバンドだとかなんて、そんなこと少しも思ってないから……」
シュウの視線をかわして、
「バカみたい……あなた1人でいきがって……」
言うと、頬を思いっきり張られた。