イマカレモトカレ 永遠の愛は?


7月の6時と言えばまだまだ陽は明るい
「おばあちゃん!ただいま~!
帰ってきたよ」


「お帰り!
早いじゃないか~」


「うん!
一緒に晩御飯を食べようかと思ってね
岡山の名物【ままかり】を
買ってきたよ~知ってる?ままかり」


「知ってよ ワチって魚だろ?
酢漬けにしてある」


「そうそう!昔ねあまりの美味しさに
隣の家にご飯を借りに行ったから
その名がつけられてるんだってね
ままってのがご飯の事だって
定員のおばちゃんが言ってたわ」


「そうそう
【まんま】を借りるほど美味しい
だからままかりね」


おばあちゃんは知ってた。


「あれ?じいちゃんは?」


「まだ帰ってこないんだよ」


「もうこんな時間なのに?」


「ビワの収穫してるんだと思うんだけど
もしかしたら野菜の収穫してるか
キリの良いところまで
やろうとしてんだろうね」


「こんな時間まで畑仕事なんて
じいちゃんは働き者だね」


「年金暮らしだからね
少しは稼がないと!って
いろんなものを作って売ってるよ」


「尊敬するなぁ~
あたしもそんな働き者を見つけよ!」


「すぐに居るよ
乃愛ちゃんぴったりの人がね」


「そう?そう思う?」


「誰の孫だと思ってんだ?
ワシに似たこんな
可愛い子をほっとかないよ」


「まぁ!おばあちゃんっ!
だーいすきっ!」


すると外から『あはは』と言う
おじいちゃんの笑い声が聞こえてきた。


「やっと帰ってきた!」


「ねっ!おばあちゃん
じいちゃんひとりで笑ってるよ
大丈夫?」


「今日は手伝い人がいるから
一人じゃないよ
それにまだまだボケてはないよ!」


「あははごめんねぇ~」









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