恋の処方箋SOS
なんの変鉄もない、いつもの道のはずだったのだが対向車線からはみだした車がいきなりぶつかってきた
相手はかなりのスピードがでていたしこちらは急にブレーキをかけたからたいして衝撃はなかったが事故にかわりない
俺は車からなんとか降りて相手を確認しに急いだ
相手は老婦人でショックからか気を失ってるのかと思ったが脈が停まっている
なんとか車外にひきずりだし片手間に救急車を呼びながら額から血が垂れるのもかまわず心臓マッサージを続けた
「ったく」
額の血を拭いながら尚も試みるが心臓は動く気配はない
そこに救急車がやっと駆けつけて俺は状況を説明した
俺は救急隊に手当てをされながら聞いていた
「彼女は元々、心臓が悪かったみたいで今日はたまたま運転しなくてはならない事情があったみたいです
比嘉先生のせいじゃありませんよ?とりあえず乗ってください
頭を打ってるのに変わりありませんから」
俺は急に力が抜けてその場に倒れてしまった
気づいたベッドの上で激痛に重い息を吐いた
正直、息をするだけでも痛いがノックの音を許可した
見舞いだろうか花を片手に老人が杖をついて歩いてきた
「比嘉先生?」
「はい」
「この度はご迷惑おかけしました妻が申し訳ないことを
それでもあなたは助けようとしてくれたんですね?」
俺は頭が朦朧としながら頷いた
「まあ仕事ですから」
老人がいなくなるとけたたましくドアが開き内海がカルテをばらまいた
「おまえなに考えてんだ下手したら死んでたんだぞ?」
「肋骨だろどーせ」
「いいから黙ってろ」
薬を注射され俺は顔をしかめた
「痛み止め?」
「抗生剤だ、炎症を鎮めるためのな」
「なにがどうなってんだ?」
「身体中の骨が折れてるか皹がはいってるんだ
まだくらくらするだろ?脳震盪だよ頭蓋骨が無事でなによりだ」
「管が気持ちわりぃ」
「点滴はしばらく外せない諦めろ」
俺はムリに上体を起こした、そのせいで激痛がはしる
「俺にはやらなきゃなんねぇことがあんだよ」
「今ムリしたら」
そこまで言いかけて糸がきれた人形のように龍太郎がベッドに倒れた
俺は息苦しさで目が醒めて激痛に襲われるを繰り返していた
「失礼」
この声は俺はがばっと跳ね起きた
「おまえのせいだからな」
「なにがです?八つ当たりはいいかげんにしてください」
あたかも獣を制するように彼は冷たく言い放って点滴を確認した
「触るな」
「いいかげんにするのはあなたです、どうせ真幌に会いに行ったんでしょ?
真幌はもうなにもかも忘れたがってるなのにあなたは
点滴少し速めましたね?」
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