恋の処方箋SOS
俺は話しが一段落したところでノックをして入室をした
「歩」
「久しぶり佐和子さん」
「歩、奥さんは元気?美奈ちゃんは?」
「美奈は今年3才になるよ、残念ながら莉菜は亡くなった」
「そっかぁ」
「美奈も今は莉菜の母のほうにいる」
俺は龍太郎を見てからポケットに入れていた紙片を握りつぶした
「内海?」
「なんでもない」
「歩もなにか隠してる?」
俺は苦笑いを浮かべてその場を離れようとしたら看護士が慌てて病室に入ってきた
「内海先生、急患ですバス事故だそうで手が足りません」
俺は佐和子さんと顔を見合わせて頷きあった
「私も行く、龍太郎動いちゃダメだからね」
俺は舌打ち一つで頷いた
二人がいなくなり深く息を吸い込んでから立ち上がり点滴をゆっくり抜いた
止血ようにバンドエイドをきつめに当ててペットボトルの水を飲み干す
一階のロビーに降り立つとそこは地獄絵図だった
手当てを待つ人や泣き叫ぶ人、俺は白衣を着て歩きだす
目についた新米看護士の手当てを手伝ってやる
「比嘉先生」
「俺がここにいることは内緒」
「はい」
「ここはもう終わる、次の患者に」
俺も手当てを終えて立ち上がると泣いている小さな女の子が目についた
「どうした?」
「お母さん」
「お母さん?はぐれたの?」
女の子は首を振る見つめているのは処置室の方だった
ぎゅっとウサギのぬいぐるみを抱きしめた
「お母さん」
「大丈夫きっと助かる、向こうでジュースでも飲もう」
女の子の手をひいてジュースを買ってやり騒動から少し離れた待ち合い室のソファーに座る
「お兄ちゃんお医者さん?」
「一応な」
「お母さんも治せる?」
「ああ約束する」
女の子は笑顔でジュースを飲みだして安心した俺は近くにいた看護士に女の子を預け処置室に入る
「比嘉先生」
女の子の母親だろうか看護士の制止も聞かず指示を出し手を動かす
「比嘉」
やっと処置が終わったところで名前を呼ばれた
「はい」
「ちょっと来い、はいじゃないんだよはいじゃ」
俺は無理矢理、待ち合い室の椅子に座らせられ先輩の説教をくらった
「誰の許可だ?」
「許可なんていらないでしょこの状況なら」
「おまえまだ動いていいなんて言われてないよな?」
肩を力強く捕まれ俺は顔をしかめた
「っ・・・」
「俺のチームに足手まといはいらない病室に帰れ比嘉」
「その通りです、比嘉くんなにをしているのですか」
「医院長」


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