恋の処方箋SOS
07
俺の目の前に立ったのはさっきの女の子だ
「お兄ちゃんをイジメちゃダメ」
俺は慌てて女の子を背中に隠した
「どういうことです?」
「お兄ちゃんママを助けるって約束してくれたの」
女の子は俺の後ろから頑張って言っていた
「比嘉くん本当なの?」
「ええまあ、病室帰りますから」
「今回はその子に免じて許してあげます、でも次はないですよ?」
俺は女の子にお礼を言って病室に帰る前に喫煙所でタバコをふかしていた
「職務怠慢だぞ比嘉龍太郎」
「俺はいいんですもう」
「昔から変わらないんだから」
「からかわないでくださいよ変わりましたよ」
俺はタバコの煙を吐き出して更に続けた
「なんかあった?」
「なーんにもないよなんにもね」
「俺とやり直したいなんて思ってる?」
私が首を振るより早く龍太郎が抱き締めてタバコの匂のする苦いキスをしてきた
「龍太郎、それ以上はダメ」
「しませんよ、もう一度つきあうこともね」
龍太郎は意地悪くわらって振り返らずにエレベーターホールのほうに向かって行ってしまった
俺は自分の病室に帰るまえにあいつの部屋に寄った
杏子はただぼーっと夕食の箸をすすめていた
「うまい?」
相変わらず俺を無視し続ける後ろめたいのだろうか
「龍太郎、彼女いたんだね」
「佐和子さん?」
こくりと頷いた杏子に俺はため息をつき杏子を強引に押し倒した
「龍太郎」
俺は杏子にキスをしてから離れてまた椅子に座った
「待つのはキライじゃないけどな待たせられるのはキライだ」
「じれったいなら待たなきゃいいじゃん」
私は龍太郎を突き放すように言って食事を再開した
「待たないよもう」
龍太郎は立ち上がってひらひらと手を振って行ってしまった
病室に戻ると白石が窓際に立っていた
「なんか用ですか白石先生、相変わらず暇そうっすね」
たっぷりの嫌味をこめたつもりが軽く切り返される
「暇じゃないよ僕だって
もうすっかり秋の空ですね龍太郎先生」
「世間話しをしにきたわけでもないだろ?」
「真幌に会いに行ったんですね?余計なことばかりあなたはする
立っていて大丈夫ですか?怪我人でしょ一応」
「あんたが忘れるからだ」
「真幌を?忘れたことなんて一度もないです
内海先生から採血頼まれてるんで座ってくれませんか?」
俺はしかたなくベッドに腰かけつつ睨み付けた
「あんたは最低だ」
「腕を出していただけません?」
俺はしかたなく台の上に腕を乗せきつく巻かれたゴムチューブを見つめていた


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