恋の処方箋SOS
消毒をされゆっくりと血が抜かれていく
「はいおしまいです」
龍太郎先生は腕を押さえながら仰向けに寝てしまう
「気分わるくなりました?」
「少しな」
「カルテ失礼ながら拝見しましたよ、歩ける状態でもないのにどこに行ってたんです?」
押しだまってしまったのでしかたなく病室を離れた
どうやら眠ってしまったらしく激痛で目が醒めた
「っ・・・」
「比嘉先生?大丈夫ですか?」
なんとか堪えて巡回の看護士に頷いた
「ああ」
俺はまた目を瞑って無理矢理、眠ることにした
いつのまにかカーテン越しに光がさしこんでいて嫌でも朝だとわかる
「おはようございます比嘉先生」
相変わらず綺麗な顔、この人の寝顔を見れる看護士は幸せだなと思ってしまう
「白石?」
「はい体温計、血圧はかりますからそのままで
体調はどうです?」
「昨日より悪いな」
「無理するからです、熱も少しありますね」
ちらりと見れば呼吸が荒く目を瞑りながら痛みをにがしているように見える
「杏子はおまえが好き?」
「わかりませんよ、氷枕もってきますね」
低く通る声で龍太郎先生が薬の名前を呟いたので軽く頷いた
その足で杏子さんのところに寄り道をした
「おはよう」
彼女は泣きながら眠っていて眼鏡を外してそっとキスをした
ぎゅっと抱き返されて唖然としながらも髪を撫でた
「龍太郎・・・」
「やはりあなたが呼ぶのは私の名前じゃないんですね」
私はびっくりして飛び起きた
「白石先生」
「龍太郎先生じゃなくてすみませんね、龍太郎先生いま熱もあって大変なんです」
私は立ち上がってみたもののふらついてベッドに座り直した
「龍太郎に会いたい」
「えっ?」
「色々考えて謝りたいから」
なんとか立ち上がって龍太郎の病室に向かおうとした
「一人じゃ危ないですから僕もいきます」
白石先生に支えられながら病室に向かった
病室に入ると龍太郎は眠っていてほっとした
「龍太郎」
「眠っているみたいですから後にしましょ」
私はしばらくここにいるとごねるように言ったら後ろから声がした
「だーれ勝手に病室ぬけだしたのは」
「あっ」
どうみても私なんかより大人っぽい綺麗な人
「あなたは?」
「佐和子さん」
「圭ちゃんもここにいたのね、真幌さんはまだ思い出せないの?」
「なにを?まったく誰も彼も俺をほっとかないんだから
俺も真幌も忘れたがってるのに」
「忘れたがってるんじゃないでしょしっかりなさい
あなたが忘れて真幌さんは幸せ?
待ってるんじゃないのあなたのこと」
「たとえそうだとしても」
「あなたが龍太郎を苦しめるなら私、許さないから
龍太郎にはちゃんと幸せになってもらいたいの
ってあなたはまさか龍太郎の彼女さん?
だったらしっかりなさい圭ちゃんなんかに惑わされてたらダメよ
私は少し寝てくるわね、聞き耳たててるならちゃんと話しをしてあげなさい龍太郎」
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