オフィスの野獣と巻き込まれOL

「ん?」何、言ってるんだ?
ちょっと待って。

結婚しても変わらないって、なに?

「美帆には感謝してる」

義彦君は、一生懸命私に話をする。

一生懸命さは、分かるけど。

その、感謝ってなに?

『これからも、私と会いたい時に会う』ってこと?


義彦君は、私に感謝の気持ちを何度も口にした。

何度も聞いてるうちに、気分が悪くなった。

望まない結婚をする代わりに、私との関係も続けたいって事?


それで、私にお願いしてるの?

私がうんと言えば、今まで通り続けていけるって?

「美帆のおかげだって」

彼がそのことを口にすればするほど、気分が悪くなる。

冗談じゃない。

義彦君は、私の反応に気付かず、一方的に話を進めている。


「この間はありがとう。
全部は無理だったけど。
美帆のおかげで、堀川君、いくつかは認めてくれたよ」

頭がくらくらする。

私を、見ず知らずの男に差しだした報酬で、利益を得た。

ありがとうって言われたようなものだ。

なにが、美帆のおかげよ。

言われた通り、堀川と取引しただけじゃないの。

この私を使って。
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