可愛い人。
私は今まで感じたことのない緊張感から勇気をふりしぼって訊いてみることにっっ!
「……あの、………塩沢さんは……山崎くんの…事が……嫌い……なのでしょうか……。」
ついに、
か、核心部分を、
きききき訊いてしまったあーー!!!
いま自分がどのくらい思い切ったことをしてしまったのか、言い終えたときにやっとわかった!
心臓がバクバクしている……!!
もしかしたら塩沢さん、怒って私をどつくかもしれない!
………でも、
例えそうなっても訊いてみたかったのだ…!
固唾をのんで塩沢さんの答えを待っていると。
「アハハハハ!!」
!!?
お笑いになっている?!
塩沢さんは天を仰ぐようなかたちで笑っていた!
「野呂さん、アンタ面白いね!!!つーか良いキャラしてんじゃん!!!」
と、笑顔でなぜかどつかれた……!!
??!
「ゴホゴホ……。」
そして不覚にも咳がでてしまった……。
そ、それにしても、
良いキャラって、どういうことなんだろう…?
頭の中が“?”マークでいっぱいになっているところ、野島さんが口を開く。
「塩ちゃんはべつに山崎のことを本気で嫌ってはないんだよ。ただ良き喧嘩相手なんじゃない?ね!塩ちゃん?」
え……?
喧嘩相手…??
「はぁ?嫌いっていうか、嫌いの一歩手前だし!」
え!?
そ、それは嫌いということなんじゃ……!??
「まったく、塩ちゃんってば素直じゃないんだから。……あ!素直じゃないといえば山崎も同じ部類かもね。」
と、野島さんが何かを思い出したようにそう言った。