可愛い人。


「野呂ちゃ~ん!だいじょーぶ?俺らの言ってること聞こえてる?」



「野呂さん答えてよッ!!なんで翔太と居たの!??」



「ね!翔太の相手をしたらさ、こいつら女子がうるせんだよ!だ・か・ら、翔太は止めて俺とかどうよ!?」



アハハハハッッ






こ、怖い。



みんな笑ってるけど、怖いよ!




足がすくんで立っているのがやっと…!



でもこの状況をどうすることもできなくて固まっていると……。






「お前ら、何やってんだよ…!」



「……っ。」



空気を切り裂くような声にみんなが一斉に振り向くと、教室の入口に山崎くんが肩に鞄をかけて立っていた!




その姿を見たら胸がキュッと音をたてた…。





山崎く……!




彼は教室を見渡すと数歩前に出て、殺気を漲らせていた。






気にかけて…くれたの……?



私なんかのために……?





するとお調子者の男子一人が山崎くんのもとへ駆けていった。



「翔太~~~。遅いじゃーん!いま野呂を俺たちが説得してやってたんだって!!お前がまた罪を犯すから勘違いしちゃうんだぞ?」




「……勘違い?」


と、山崎くんは怪訝そうな顔をして私を見る。




何…?




な、何を言う気なの……?




途端に血の気が引いていくのがわかった。



「だーかーらー!野呂がお前に惚れられてるんじゃないかっていう勘違いをしちゃってて、見るに見かねて俺らはアドバイスしてたってワケ!!」




!!!




それを聞いて一気に全身が熱くなってしまい、顔は火が灯ってるように赤く染まってしまった!!!


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