臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
あまり考えたことがなかったかも。

「そうですね~。うちが三人兄弟ですから三人は欲しいかも。でも、まだ相手もいませんし……」

「お前は誰とも付き合ったことがないって言っていたな。相手が見つけられないくらいに仕事は忙しいか?」

忙しいか忙しくないかで言えば、社長の下についてから残業が増えたよね。

増えたけど、そもそも“考えたことが無かった”から探したこともないんだなぁ。


「そのうち婚活パーティーに参加しますよ」

「いきなり婚活かよ。まわりにはいないか? 秘書課に優良なの揃ってるだろ」

まぁねぇ。高学歴なメンズはいるにはいるけど、話しかけたことはないし。

だいたい男性諸君は、クイーン春日井さんにお熱だし。


「会社には仕事しに来てます」

ついでに社長のご尊顔眺めて、心のなかでウハウハ言ってます。

「ふうん。真面目だな」

「そうでもないですよー。真面目なら、こんなことに荷担しません」

「それもそうか……」

「ところで、そろそろ離れてくれませんか?」

ちょっとは慣れたけど、顔が近いんだったら。


嫌そうに目を細めると、彼は小さく笑って離れていく。

「小娘でも気になるか?」

「まぁ、顔は好みなので」

グラスを傾けかけた社長が、訝しむような顔で私を見下ろした。

「……顔“は”好みなのか?」

「はい。だからといって、好きではありませんが」

「それはどう言うことか聞いてもいいか?」

「聞いたところで意味はないでしょう?」

とりあえず“女を拒否”してるなら。
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