臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
あなたは、いきなり何を言い始めやがるんだ!

酔いは一気に覚めるし、詩織は見てはいけないものみたいに目を逸らしてるし、孝介さんはお腹抱えてるし。

口を開こうとした途端、詩織が叫びだした。

「やっぱり私は一人で帰ります! お邪魔しました!」

バリッと私の手を引き離し、小走りに去っていく詩織。

「西澤さん。彼女は僕が送っていくから安心して」

そう言って、詩織を追っていく孝介さん。


ちょっと待って二人とも!


二人を見送り、呆然とするわたしと、なんの感情も読み取れない社長。


これはなんの罰ゲームよ?

あれかな、ランチを豪勢におごってもらいながらも、それにブツブツ文句をいった私にバチがあたったのかな?


「小娘。いい友達もってんなー」

どこか朗らかに笑っている社長を見上げ……視線をネクタイに落とす。


笑顔の社長は、目に毒だ。


「何の話ですか?」

「うん。ずっとわかっていてすっとぼけているんだと思っていたが、本当にお前は男に免疫ないんだな」

は? 男に免疫って……。

「うちには弟が二人もいますが」

「ああ、そう。弟さんは年が近いんだったな」

「まぁ……」

意味がわかんない……と、思っていたら、顔を覗き込まれる。

「あのな、お前……」

「はい……」

「血の繋がった“弟”と“男”は違うと認識した方がいい」
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