臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「さっき結果が出たようだな。仕入れ業社が絡んでいなくてある意味で助かったのか、ファックスも見るか?」

社長ら足を組みながら持っていた紙をヒラヒラとさせるから、それを無言で掴んで内容を視線で追った。

それは仕入れてる業社から、何をどう卸しているのかの詳細内訳だ。

……牛は一応、国産らしい。

つまりは謳い文句の“国産牛使用”は問題ない。

「そもそもの牛肉の値段下がっているんですか?」

国産の牛肉はランクもブランドもたくさんあるよね。

「うん。値段が下がれば、キロ単価も下がるからな。それはいい。そこで仕入れ単価抑えて帳尻合わせているのかと思ったんだが……」

社長は溜め息混じりにコーヒーを飲み、副社長が苦笑した。

「うちで計上している支払いと合わせてみると、実際に仕入れ先に支払っている金額が、数ヵ月に及んで百万単位で少ないみたいだね」

社長たちは顔を見合わせ、静かに微笑みあった。

……けど、ふたりとも目が笑っていなくて恐い感じの笑い方だ。

「これは、僕の監督不行届です」

「社長は完璧主義過ぎる。事業部経由で管理する子会社まで目が届かなくて当然です」

「あの部門は本社に一番近い。御しきれないのは僕が舐められているからでしょう」

「事業部は私の管理下ですよ。社長は高みの見物でお願いしたいですね」

……何をやってるんでしょうね。ふたりとも。

どっちが責任を取るかを取り合いしているの?

普通は逆だと思うんだけどな。
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