臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
だけど“それ”が始まったのは社長が30歳の誕生日を過ぎた頃だったらしい。

出席するお祝いの席に、娘同伴する他社の社長が増えてきた。

増えてきたどころか、紹介され始めた。

何かがおかしいと思い始めた頃には女性に囲まれるようになっていたと言うから驚きだ。

そうだね。春日井さんが言うように、社長の妻ってのは玉の輿。
輝かしいばかりの社会的なステイタスだよね。

一部上場とはいえ優良会社の若社長。しかも独身。恋人の陰すらない。

未婚の娘を持つお父さんお母さん、そして未婚妙齢の女性からしても、社長はイイ獲物だよね。

見つけたら罠にはめてでも手に入れようとするだろうな。

わからないけど理解はしようと思う。

時代錯誤甚だしいけど、将来不安な人より、将来安定していそうな人との結婚とかってわからないではないよ。私も女だもん。

だけど、とあるパーティーでホテルの鍵を渡されて、社長はうんざりしたそうだ。

それには私もびっくりしたわけだけど、そこから社長は徹底的に女性を避け始めたらしい。

そしてまことしやかに有名になったのが“女嫌い”の社長様。

社長秘書の野村さんと“いけない”噂まで発展したのは誤算だったらしいけど、それはそれで仕事に集中できると社長は喜んだそうな。


「さすがにお前の給料で買うようなワンピースで会場に現れたら、本当にただの秘書にしか見えないだろ? まぁ、これも業務のうちだと思え」

その言い分に肩を落として溜め息をついた。

「本当にこれが業務のうちなんですかねぇ」
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