臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「仕事が円滑に進めるようにするのも秘書の務めだろ。何もずっとそうしろとは言わない。野村が復帰するまでの間だけだ。着飾ったお前が俺の横に立っていたら、だいたいの人間は勝手に自分の解釈で誤解してくれるはずだし」

私は他人が勝手に解釈してくれる人生観なんて、そう思われるだけでも嫌だけどね。

要は、あの日副社長と社長で考えた悪巧みは、私に社長の“恋人のふりをしろ”という事らしい

嘘をいう事はない。ただ私がお洒落して立っているだけで、勝手に誤解されるだろうと彼らは思っている。

まぁね。今までが今までで、聞き流していたけど、私が臨時で社長秘書になっただけで、社内ではかなりの噂が蔓延してくれたんだもの。

社長の言うように自分の給料以上のドレスアップをして、ただ隣に立っているだけでも影響力は半端ないだろうけどね。

「付け焼き刃な気がするんですが。根本的には何の解決にもなりませんし、そもそも私が巻き込まれるのは納得いきません」

「そうだな。だからこれは迷惑料だと思え」

淡々と社長は呟いて、どこか嬉しそうに女性店員さんが持ってきた紙にサインをしている。

「これはこのまま着ていく。他のものは頼む」

「かしこまりました、東野様」

何がどうなったの?

ポカンとしていたら社長は立ち上がり、私を見下ろした。
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