臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「西澤さん。聞いてもいい?」

「なんでしょう?」

「西澤さんって、隼人兄さんの事が好きだよね?」

うん。それは、その通りなんですが、何故にそれを爽やかにあなたに言われないといけないんですかね。

じろっと睨んだら、彼は苦笑しながらコーヒーを一口飲んだ。

「あー……うん。ゴタゴタには巻き込まれたくないんだけどなぁ」

「何ですかそれは……」

飯村さんは少し考えるように沈黙すると、ゴクゴクと缶コーヒーを飲み干す。

「ところで、個人的に折り入って話があるんだけど、もう少しいい?」

また、社長の事で何か言われるんだろうか。

身構えると、彼は爽やかに微笑んだ。

「成田さんが好きそうな、スイーツって何か教えてくれない?」

「へ……?」

思わずコケそうになったけど、彼は彼で大変そうな事はわかった。

「詩織は……その?」

「彼女、難攻不落だよね。落すコツとかないかな?」

……詩織の場合、結婚を持ち出さなければいいんじゃないかと思うけど。
さすがにそれは私の言う事じゃない。

「頑張ってください……?」

「そのつもりだよ。うちの家系は気長な人も多いけど、見つけたら手放さないから」

どこまでも好青年風の笑顔を見せながら、突き詰めると怖い言葉を聞いたかもしれない。

少しだけ寒気がしたのを無視して、ただ愛想笑いを返した。




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