臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
「わ、私は、お見合いして、さっさと結婚するんです!」

「孝介に聞いた。お前、恋愛するつもりないわけ?」

いや。たぶん恋はすでにしてる。目の前のあなたに。

だけど、それ以上進みようがないなら、無理矢理にでも前を向いて行くのも人生じゃない?

「社長はまだ、結婚とか考えないんでしょう?」

「いや? もう少しなんじゃないか?」

言いながら、スッと社長が近づいてきたから、また一歩、後ろに下がる。

「お前は子供3人欲しいんだろ? 俺のとこなら勝子さんが手伝ってくれるよ。あの人達は子供好きだから」

「そういう問題じゃ無いですし」

また一歩、近づいてきたから、また一歩下がった。

……なんだなんだ。何が言いたい。それより何より何がしたい。

じりじり近づいてくるから、じりじり下がっていく。

「俺なら、経済的な心配はしなくていいぞ? どこかの馬の骨よりは見知っている分、気安いんじゃないのか?」

「お、お金で結婚相手を決めるわけではありませんし。えーと……?」

「うん。お前ならそう言うと思っていた」

ニッコリと微笑む社長の笑顔が何故か逆に怖い。だって、思い切り企んでいそうな不敵な笑みが……。

そう思った瞬間に、カツンとヒールが堅いものにぶつかって、慌てて振り返ると真後ろにデスク。


あれ。前にもあったような気がするのは気のせいかな?

ところで何故、私は追い詰められなければならない?
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