優しい大地とお兄ちゃん





「私、頑張ってくれてる大地見てると、胸が痛むの・・」


「・・・」


「大地は幸せだって言ってくれたけど、そんなの嘘だよ」


「嘘じゃないよ・・俺、今すげー幸せだよ。正直今日は俺、頑張った。慣れないことした。でも、それも嬉しいんだよ。さくらが心を痛めることなんて、何もないんだよ」


「・・・」



「・・もう一回言う。俺は、さくらが好き。さくらが、お兄さんのこと好きでもいい。俺を、好きじゃなくても全然いい。俺のことで、さくらが心を痛める必要なんてないんだよ?」


「そんなの・・ダメだよ・・好きな人に、見てもらえない辛さは私にも分かる。絶対大地、辛いはずだよ。私も、そんな大地と付き合うなんて、罪悪感でいっぱいなの・・」


「・・・さくらは、優しいな」


「え?」


「ごめん・・・やっぱ俺、お前に見てもらいたい。好きになってもらいたい。少しずつでいいから・・ゆっくりでいいから、俺のこと好きになってほしい」


「・・・」


「・・わがまま言って、ごめんな?」



そう言って、大地は私を抱きしめた。



「大地・・」



私はそれ以上、何も言えなかった。

だけど、辛い気持ちは少し和らいだ気がする。





< 11 / 32 >

この作品をシェア

pagetop