優しい大地とお兄ちゃん





それからしばらく、大地と他愛もない話をした。

大地は私を笑わそうと、学校であった面白い話とか、弟と喧嘩した話とか、いろいろ話してくれた。



『・・さくら、元気出たか?』


『え?』


『お前の声、落ち込んでたみたいだったから』



大地、気付いてたんだ・・。



『うん、元気出た・・ありがとう大地。私が元気ないの気付いてくれてたんだね・・』


『俺は、さくらの事なら何でも分かるんだよ。お前の事が好きだからな』



電話越しの、大地の優しい声に、私はまた心が楽になった気がした。

大地は私の事なら、何でもお見通しなんだね・・。

大地は、ちゃんと私の事を見ててくれてる。

それが嬉しかった。



『ありがとう、大地』


『お礼を言われる程、俺は何もしてないけどな』



そう言って大地は笑った。


ううん、そんな事ないよ。

大地が話を聞いてくれるだけで、私の心は救われてる気がする。

大地と話してる間は、お兄ちゃんの事忘れられる。



『私、大地にお兄ちゃんの事話してよかった。大地が話を聞いてくれるだけで、私、少しは楽になったよ。心の奥の、重たい物が取れた気がする』



『なら、よかった!こんな俺でも、さくらの役に立てて俺は嬉しいよ』


『大地・・』



本当に大地は、私の事好きでいてくれてるんだね・・。

大地のその想いが、私はすごく嬉しいよ。

まだ、大地の事、完全に好きだとは思えないけど、でも絶対好きになるからね。

それまで、待っててね。





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