優しい大地とお兄ちゃん





大地は私を抱きしめていた手を緩めると、私の両肩に手を置いた。



「さくら・・もう一回、キスしてもいい?」


「えっ?」



私は大地の言葉にびっくりして、目を見開いた。

心臓がドクドク鳴って、喉の奥に息が小さく詰まった。

そんな私の反応に、大地は笑った。



「ごめん、冗談だよ」


「もう、冗談はやめてよ」


「・・・冗談じゃなかったら、キスしてもいい?」


「え?」



急に真剣な顔になって、大地は私の肩を引き寄せた。



「ごめん、やっぱ一回じゃ足りない」



言葉と同時に大地の顔が近づいてきて、私は目をぎゅっと閉じた。

すぐに柔らかいものが唇に触れた。

私は息を止めた。

大地はなかなか離れてくれなくて、私は息ができずに苦しくなった。



「んぅ・・」



小さい息が漏れた。

その瞬間、大地が私から離れた。

私は息を整えて、大地を潤んだ目て見つめた。

大地と目が合った瞬間、また私は大地に口を塞がれた。

私は。心臓が壊れるんじゃないかと思うくらいドクドク鳴って、唇も痺れて、胸が熱くなった。



「大地・・もう、やだ・・」



途切れ途切れにそう言うと、大地は私を離してくれた。



「俺のこと、好きになった?」


「わ、わかんないよ・・」


「じゃもう一回・・」


「な、なった!なったよ!」



私は慌てて言った。

大地は声を上げて小さく笑った。



「ごめん、さくらがあまりにも可愛かったから、いじめたくなった。もうしないよ」


「もう、だから冗談はやめーー・・」



私がまだ話している途中なのに、大地は私を抱き締めた。

私はびっくりして、途中で言うのをやめた。



「本当にありがとう、さくら」


「・・・」



大地の声はすごく優しくて、少し切なそうな声だった。





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