優しい大地とお兄ちゃん
大地はゆっくり、私の顎に指を添え、私の顎を持ち上げた。
いつもは暖かい大地の手が、熱く感じた。
私は、今までにないくらい、心臓の動きが早くなり、小さく息が詰まって、耳まで熱くなっていくのがわかった。
大地の顔が、すぐ目の前まで近づいてきた。
「・・さくら、目、閉じて?」
熱い吐息が、鼻にかかり、私はぎゅっと目を閉じた。
一瞬だった。
柔らかく、あたたかいものが、私の唇に触れた。
私は、どうしたらいいのか分からず、息を止めた。
「・・ん」
すぐにそれは離れていき、唇に大地の感触だけが残った。
「・・さくら、好きだ」
私は恥ずかしくて、大地を見れなかった。
どうしよう・・。
・・本当に、キス、しちゃった・・。
私は、人差し指で、そっと唇に触れた。
顔を上げない私に、大地は優しく包み込むように、私を抱き寄せた。
「ありがとう、さくら・・」
さっきからずっと、耳の近くで心臓の音が聞こえてくる。
私、大地にドキドキしてる・・。
私はゆっくり顔を上げて、大地を見た。
幸せそうな大地の顔・・。
そんな顔を見て、私の心臓はトクンと大きく高鳴った。
「大地・・」
「さくら・・俺、もう死んでもいい」
そう笑顔で、大地は言ってくれた。
私は、何も言えなかった。
ただ、自分の心臓の音が、うるさくて、詰まる息が、はがゆくて、熱を帯びた顔が、大地を好きなのかもと、そう思いはじめていた・・。
「・・さくら。これからも、ずっとお前が好きだ。ずっと大切にしたい。守ってやりたい。俺がさくらを幸せにする・・だから、ずっと俺の隣にいてほしい・・」
大地は、私の頭を撫でながら、優しくそう言った。
私は、そんな大地に、小さく頷いた。