優しい大地とお兄ちゃん
家の前につくと、お兄ちゃんが玄関から出てきた。
「おかえり、さくら」
そう言って、お兄ちゃんは、私の隣にいる大地を見た。
「初めまして、さくらの・・お友達かな?」
お兄ちゃんは、ニッコリしながら言った。
「・・さくらさんと、今日からお付き合いさせて頂いている、宮崎大地です」
そう言って、大地はお兄ちゃんに深く頭を下げた。
「さくらの兄の、榎木拓真です」
ニッコリしたまま言うと、お兄ちゃんも、大地に深く頭を下げた。
「大地、送ってくれてありがとう」
「うん、じゃあまた明日な」
そう言って大地は、お兄ちゃんに頭を下げた後、私に手を振って帰って行った。
「感じの良い子だな」
言いながら、お兄ちゃんは私の頭を撫でた。
私は何も言わなかった。
あんなに良い人なのに、私はただ、大地を傷つけているだけ。
お兄ちゃんこのとだけでも辛いのに、大地にまで酷いことして、心が痛んだ。
「どうした?」
お兄ちゃんは、俯いていた私を、優しい顔で、覗き込んで聞いてきた。
「・・何でもない」
・・言えるわけない。
大地が、お兄ちゃんの身代わりだなんて・・。