失恋した直後のラインは甘い囁き
眠っていると消毒薬の匂いがした。


(・・あ・・帰って来た・・)


と思いつつ瞼があがらない。


おでこに柔らかい感触がした。


そして「ただいま」と言う声。


私は幸せな気分で眠りに戻っていった。




次に目を覚ました時、智也はベッドにいなかった。


「あれ?智也?」


私は急いで寝室を出た。


リビングへ行くと智也はコーヒーを飲みながら煙草を吸っていた。


「智也、起きてたの?」


と私はすぐに智也に抱きついた。


「わかったわかった。ほら煙草持ってるんだから」


と智也は笑いながら体を離した。


私は智也の隣に座って腕を組んで智也の肩に頭を乗せた。


智也は私の頭を撫でながら


「今日はデートしよう。理央の行きたい所へ行こう」


と言った。


「いいよ。当直明けなのに疲れてるでしょ?」


と私は言った。


「3時間寝たから大丈夫だよ」


「本当にいいの?」


「ああ、どこに行きたい?」


「えっとね、水族館がいいかな」


「わかった。支度しておいで」


と智也は優しく言った。


私は嬉しくなった。


デートなんていつ以来だろう?と思った。


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