飛行機雲
「巫女ちゃん…?」
「…あの日、神谷は、俺が爽菊のことどう思ってるかを、聞きにきたんだ。」
写真から視線を外さずに、言った。
あの日…
親友に、裏切られたと思って
たくさん泣いた日。
「……翼が…私のこと…?」
「………うん…」
重苦しい雰囲気の中、
静かに、翼がうなずいた。
「…俺、前に爽菊と神谷が屋上で話してるのを偶然聞いちゃって。
………それで、爽菊の気持ち、知っちゃって。
神谷にそのことがバレて、好きなら、付き合ってほしいって。」
…巫女ちゃんが…私のことを…
『愛ちゃん聞いて!』
『愛ちゃんは何で…』