君は夜になく



帆乃香に対する苛立ち。

担任に押し負けて流される災難。

すみれちゃんたちの視線、空気。



そして、あの転校生の態度。



全部が混ざりあって、濁った音がうねる。



全部全部、まとめて吐き出して、楽になろう。




自然と閉じていた目を開けると、しんと不気味な夜の公園の音たちが戻ってくる。



「よし。」


弾くか。

そう思って構えた目の前に、こちらを窺う澄んだ目があった。


え。



「豊永、光…」


噴水の反対側。制服のポケットに手を突っ込み大した驚きもなくそこに立っていた。

しかし、あたしはそう簡単には冷静に慣れなかった。



──なんで、ここにいるの…?








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