お前しか見えてないから。*特別番外編*
「うわぁ〜っ!立派な旅館!」
「すげー!キレイなとこだな」
たくさんお土産を買った後は、予約していた旅館に到着。
旅館はリニューアルしたばかりらしくとても綺麗で、スタッフの人たちもとても親切だった。
チェックインを済ませると、花鈴が部屋の鍵をナツくんに渡す。
「はいこれ、夏希たちの部屋の」
「あぁ、サンキュ」
確か部屋は、私たち姉妹とナツくんたち兄弟のぶんの、二部屋取ったはず。
どんな部屋かなぁ。楽しみだな…。
だけど私がぼーっとそんなこと考えてたら、花鈴がニヤニヤしながら私の方に近づいてきて…。
「あ、もちろん、鈴菜は夏希と一緒の部屋ね?」
「…えっ!?」
その言葉に一瞬、心臓が止まりかけた。