お前しか見えてないから。*特別番外編*
二人で顔を見合わせる。
メイクを落とした花鈴はますます自分にそっくりで、思わず頬が緩む。
「最高だね、旅行」
「うん」
本当に今日はすごく充実してる。
やっぱり旅行って普段とは違う経験がたくさんできて、すごく楽しい。
花鈴の思い付きから始まって、最初はどうしようなんてドキドキしてたけど、こうして来ることができてよかったなってあらためて思った。
花鈴もすごく楽しそう…。
「ねぇ、そういえばさ」
すると花鈴が急に、真面目な顔で。
「夏希とはどうなの?」
そんなことを聞いてきた。
「…えっ?どうって、べつに……。
普通に…うまくいってるよ」
なんだかそう答えるのもちょっと恥ずかしいなぁ…。
「うん知ってる。だから、そうじゃなくて〜」
え…?
「ぶっちゃけ、キス以上のこと、したの?」