お前しか見えてないから。*特別番外編*
反射的に体が動いた。
そんなの、嫌だ。
私だってナツくんのそばにいたい気持ちは一緒なのに…。
「えっ…?」
ナツくんは驚いた顔で振り返る。
私は誤解されたくなくて、今こそちゃんと自分の気持ちを言わなきゃって思った。
「ち、ちがうの…っ!
私ね、こういうのどうしていいかわからなくて恥ずかしかっただけで……嫌だったわけじゃないの…。だから、全然最低なんかじゃないよ!
私だって、ナツくんと一緒に寝たいって思ってたから…っ!」
だけど、口にした後で気がついた。
…あれ?何恥ずかしいこと言ってるんだろう私。
これじゃあまるで……。
ナツくんは目を見開きながら顔を赤くしてる。
そして数秒間の沈黙の後……。
「……それは…誘ってんの?」