お前しか見えてないから。*特別番外編*

そう、このストラップ、昨日ナツくんが私とおそろいで買ってくれたもので。



今朝さっそく二人でスマホケースに付けたんだ。



スマホを取り出すたびにチリンと音が鳴って、思わず口元が緩んでしまう。



「幸せの鈴」って名前の通り、本当に幸せな気持ちにしてくれるから、もうすでに効果が出てるんじゃないかなって思った。



花鈴が今度は私のもとへやってくる。



「ところでさ~、どうだったの?昨日」



ニヤニヤしながらそう聞かれて、ドキッとする私。



「…え、どうって……なにもないよ」



「ウソだ~!ほんとに何もないの?

せっかく一緒の部屋で寝たのに?ほんとに?」



「な、ないよっ!何も…!」



もちろん、全然何もなかったわけじゃないけど……花鈴が期待してるようなことは何もなかったはずだから。



「えーなんだー。つまんな~い」


< 41 / 45 >

この作品をシェア

pagetop