お前しか見えてないから。*特別番外編*
そう、このストラップ、昨日ナツくんが私とおそろいで買ってくれたもので。
今朝さっそく二人でスマホケースに付けたんだ。
スマホを取り出すたびにチリンと音が鳴って、思わず口元が緩んでしまう。
「幸せの鈴」って名前の通り、本当に幸せな気持ちにしてくれるから、もうすでに効果が出てるんじゃないかなって思った。
花鈴が今度は私のもとへやってくる。
「ところでさ~、どうだったの?昨日」
ニヤニヤしながらそう聞かれて、ドキッとする私。
「…え、どうって……なにもないよ」
「ウソだ~!ほんとに何もないの?
せっかく一緒の部屋で寝たのに?ほんとに?」
「な、ないよっ!何も…!」
もちろん、全然何もなかったわけじゃないけど……花鈴が期待してるようなことは何もなかったはずだから。
「えーなんだー。つまんな~い」