ただひたすらに君が好きだよ。

-帰宅-

結局、小鳥遊くんが私をうちまで送ってくれた

最後に『また、明日』って言った時の
小鳥遊くんの笑顔が頭にこびりついて離れない

「はぁ、一瞬....、だったな」

トボトボと足を運んでリビングに向かうと、机の上に一枚のメモが置いてあった

『ごめんなさい、今日
お母さんもお父さんも遅くなりそうだから、美希ちゃんの家に行って夕飯を
ご馳走してもらって、

美希ちゃんには行っといたから
戸締りだけしっかりね

母より』

美希ちゃんというのは、悟くんのお母さんでママの友達

まぁ、つまり、夕飯を悟くんの家で
食べさせてもらってっていうことらしい

メモを読んだ私は着替えてすぐに
悟くんのの家に向かった(お向かいです)

『ピーンポーン』

「あっ、千鶴です。」

家の前でインターホンを鳴らすと美希さんが出た

『ガチャ』

「千鶴ちゃん!!、いらっしゃーい
まぁ、少し見ない間にまた綺麗になったんじゃない?

さぁ、あがってあがって」

美希さんは、明るくて悟くんのお母さんらしいお母さん

「あ、はい、お邪魔しまーす」

「ごめんね、悟まだ帰ってなくて...

いったいどこほっつき歩いてんだか」

そっか、すみちゃんと放課後デートとかしてんのかな?、

あとで話を聞こう...

「千鶴ちゃん、なにか心当たりがあるわね」

「えっ、なんで、わかっ!?」

千鶴さんは、ソファーに座った私に
お茶を出してくれた

「千鶴ちゃん、顔に出過ぎよ
誰が見たってわかるわ」

「そ、そうですか〜......」

「で、やっぱり彼女なの?
私、てっきり悟は千鶴ちゃんとそういう仲になるのかと思ってたわ」

「えっ!!!、いや、悟くんは親友ですから
それと、私の口からはあまり言えないので本人に聞いたほうがいいかと...」

「悟、なかなか教えてくれないのよ...
いるんだろうなぁ、とは思ってたけど
やっぱりそうなのね」

「.........」

返しにくい....。

『ガチャ』

「ただいまー、
って、千鶴来てんのか?」

あっ、いいタイミング!!

悟くんは帰ってくるなり私の靴を見たのか、家にいることを言い当てた

「お邪魔してまーす」

「はいはい」

リビングに入ってきた悟くんに声をかける

「悟!!、やっぱり彼女できたのよね?
あっ、勘違いしないで
千鶴ちゃんから聞いたんじゃなくて

千鶴ちゃんの顔に出ちゃっただけだから」

美希さんは悟くんが2階に行こうとした瞬間に、とうせんぼするかのように

悟くんの前に立ちはだかり早口で聞いた

「な、なんだよ急に...」

「急じゃないわよ、前から聞いてたのに
悟ったら全然答えてくれなじゃったじゃない、

で、どんなこなの?」

「別にいいだろ、なんだって」

悟くんは少し顔を赤くしながら
美希さんの横をすり抜けて2階に行った

私も、悟くんのあとを追って、
2階に行く

多分着替えてるだろうと思い
ドア越しに話しかける

「悟くん、ごめんなさい...」

美希さんのあの面倒くささをある程度理解していた私は悟くんへの申し訳なさでいっぱいだった

「いや、いいよ、どうせ無意識だったんだろ?、それにあいつの勘の良さは

異常だからな」

「怒ってない?」

「ああ」

「よかった、
悟くんは、今まですみちゃんとどこ行ってたの?」

「はぁ?、おま、なんでそんなこと
え?、」

やたらと驚く悟くんに少し疑問を感じる

「知ってるよ、普通に...」

そういうと、悟くんの部屋のドアが開き
中へと引っ張られた

「もしかして今日湊と帰ったのか?」

ベットに座ってる悟くんに対して
正面の床に体育座り、

なんか、怒られてるみたい...(笑)

「う、うん、小鳥遊くんから聞いてないの?」

てっきり言ってるんだと思ってた

「そーいうことか、
だからあいつあんな上機嫌で....」(小声)

「楽しかった?、すみちゃんと放課後デート」

「おん!!、今日は宿題も手伝ってもらえたし、先生に怒られたぶんいいことも多かったな」

「それはよかったね」

素直だなぁ〜......

「千鶴は?、湊と帰ったんだろ
楽しかったか?」

「うん!!」

「そうか、悪かったな気使わせて」

「全然」

すみちゃん、悟くんには言わないで置いてくれてるんだ....

「2人とも〜、ご飯できたから
降りて来なさーい」

「「はーい」」
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