この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。

センパイの秘密




あの雪の日以来、頻繁に雪は降り、寒さも増した気がする。


卒業式までわずかだというのに、まだまだ目に見える景色は、冬一色だった。








どれくらいしてからだろう……。


突然、優也センパイのお母さんが、うちに来た。







「ヒサー、瀬戸くんのお母さんがみえたわよー」



2階に居る私に、ママが叫ぶ。



ドタドタと散々遊んだタローとヒゲジローは、暖かい部屋のベッドの上でスヤスヤ眠っている。

この寒さじゃ部屋から出たくなくなってしまう。




私は渋々、部屋から出た。






今日、優也センパイのお母さんが来ることは、数日前ママから聞いて知っていた。



ママとセンパイのお母さんは、同じ学校の先輩と後輩で、仲が良かったということは聞いたことがあった。


だから今日のこと、連絡を取り合ったのだろう。




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