この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。





「ヒサ!」




センパイの大きな声が、図書室に響いた。








「________……っ……」





私はポケットから、指輪の入ったポーチを取り出した。


震える手をセンパイに差し出すと、センパイの手の中で2つの指輪が、チャリンと鳴った。




センパイは何も言わず、そのまま図書室を出て行った。












「________……う……」





力が抜け、床に座り込む。









「……うわ……っ________……」






私は泣き崩れた。














センパイ________……。







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