この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。


「でも、大森先生の噂って本当だったんだね」


友達がお姉さんから聞いたという、大森先生の人物像……。



「あー、典型的なイジワル教師ってやつ?」



「うん、それそれ。
教育熱心が裏目に出てんのかね?」




「あっ、しー!生徒会!」


友達は私の言葉を止めると、渡り廊下の方をチラッと見た。





「なーんか雰囲気重いよねぇ。
しゃべってる人いないよー」



渡り廊下を、列をつくって歩く。

その姿を見ながらコソッと言った。




確かに重い雰囲気……。

入学式の日もそうだったけど、一瞬にしてピリッとした空気に包まれてしまう気がする。





< 35 / 328 >

この作品をシェア

pagetop