A secret word 〜心に秘めた想い〜
「ふう…。買えた買えた」
なんだか嬉しい気持ちになって、買ったメロンパンを眺めてはニヤけた。
あとは、渡すだけ。
教室に戻って奏を探そうとすると、
「「あ。」」
ちょうど、教室から出てきた奏とばったり会った。
「かな……」
奏を呼んで、メロンパンを渡そうと思ったとき、
奏の後ろからひょこっと顔を出した栗川さん。
栗川さんも、いたんだ……。
正直、“また”って思った。
悔しくて、辛かった。
「サクラ? どうかした?」
「う、ううん。なんでも……」
とっさに、メロンパンを隠していた。
俯いていると、栗川さんが言った。
「よかったら、今日は3人でお昼食べない?」
にこっと笑顔で言う栗川さん。