サガシモノ
「そうだったんですか……」


健が力なく呟いた。


校長があたしたちの話を真剣に聞いてくれた意味もよくわかった。


「君たちは今大変な経験をしているんだな。私に力になれることがあれば、なんでも言ってくれ」


「本当ですか!?」


陽が目を輝かせる。


校長に頼みたいことなら、もう決まっているようなものだった。


「あぁ。言ってみなさい」


「水原先生と話がしたいです」


陽はハッキリと、そう言ったのだった。
< 183 / 214 >

この作品をシェア

pagetop