病気持ち少女とNo.1暴走族

レーン見てたら気持ち悪くなった…。
…あ、見るからダメなんだ。

見なければ大丈夫…?
いや、無理。あの落ちる時の感覚はダメだ。
三途の川が見えたような気がした。
思い出すと余計気持ち悪くなってくる。





「り、鈴華ちゃん、大丈夫…?」



「…あんた、よく平気ね…」



「楽しいよ?」





…マジかよ……。
見た目は苦手そうなのに…。





「…てか、人多くない?」



「土曜日だからに決まってるじゃん。
鈴華、だっけ?
そんな事もわかんねぇの?」



「陸だっけ?
うっせぇよ?」





周りを見ると人、人、人…。

吐き気がする。





「…病院にいた方がマシだ」



「病院がなんだ?」



「なんでもない。

…鈴翔は?」





さっきまで隣にいたのに
気づくと消えていた。
人混みにのまれたか…。





「…そう言えば、どこに行ったんだろうね」



「俺はここにいるぞ」



「あ。鈴翔、飲み物買いに行ってたの?」



「あぁ。そいつ、もう時間だからな」
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