私に恋してくれますか?
トオルくんは慌てて、スーツに着替え、ヒゲを剃る。

戸締りは仕事がおわっていない左近さんに任せ
私と足立先生はトオルくんを応接セットに座って待つ。

「なんで、俺があんなコドモと一緒にいないといけないんだよ。
引率の教師かって…」と足立先生はブツブツ言っている。

私はクスクス笑って、
「教師。似合ってますよ。
落ち着いてて、ちゃんと周りの人のことを見てくれている。」と言うと、

「俺は医者です。健康なコドモは相手にしたくない。」と機嫌の悪い顔をする。

トオルくんが
「何をヒソヒソ楽しそうに話してんだよ!」と言いながら私の腕を取って玄関に向かう。

「だから、コドモは嫌なんだ。
つまんないヤキモチ焼きやがって!
今日は雛子ちゃんに触るな。
車から叩き出すぞ。」とトオルくんに言いながら、足立先生は私の手を取り、助手席に座らせる。

「ヤブ医者の方がヤキモチ妬いてんじゃん。」とトオルくんは後ろの席にだらしなく座る。

「うるせー。
ヤブって雛子ちゃんの実家で言うんじゃねーぞ。」と足立先生はエンジンを吹かした。


困った人達だ。

口喧嘩を楽しんでますか?

ぜひ、安全運転でお願いしたい。
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