私に恋してくれますか?

すれちがうふたり。

ピンポンとチャイムの音で目覚める。

ハッと目を開けると、また、ピンポンと音がする。

私は眠さでよろけながら、寝室を出て、リビングでモニターを見る。
窓の外は暗い。

トオルくんだ。

「はい、トオルくん。今何時?」と聞くと、

「5時になったとこ。ピーコ開けて。」と笑った声がする。慌てて、マンションの外のドアのロックを外す。

…5じ?
朝だよね。
今日ウチに来ることにはなっているけれど…
私は慌てて着替えることにする。

電話の音。このベルはマンションの受付からだ。

「日野様。五十嵐様とおっしゃるお客様がいらしていますが…。」と確認の電話がある。
「とっ、通してください。」と慌てて言うと、
「かしこまりました。」と返事があった。

こんな時間じゃ、やっぱり不審者扱いだよね。

とちょっと呆れる。

いくらなんでも早すぎでしょう。
トオルくん。

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