私に恋してくれますか?
「ピーコ、会いたかった。」とトオルくんはドアを開けるなり、私を抱きしめた。

…昨日も会ったけれども…

そのまま私を抱きあげて、寝室に運ぶ。
部屋の中がどういう作りなのかは知っているから、迷いなく寝室に入って、ベッドの上に私を押し倒し、くちづけをする。

「とッ、トオルくん、落ち着いて…」という言葉はちっとも聞こえていないみたいだ。

「ピーコがどんどん離れていって、怖くなった。」と私の髪をかきあげ、顔を覗き込む。

「俺が好き?」と真剣な瞳に見つめられる。

「…好きです。」と真っ直ぐに見つめ返すと、良かったと呟いて、
服のボタンを外しながら、くちづけを繰り返す。

私はため息をついた後、ゆっくり目を閉じた。


私も少し、不安なの。

私がinfluenceにいなくなったら、トオルくんは新しい事務員のオンナノコ雇うでしょう?

もれなく付き合ってきたって言ってたけど…

この先はどうなんだろう?

吉野さんは?

その次に雇う子は?


そう思いながら、トオルくんの背中を抱きしめた。



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