私に恋してくれますか?
第6章 会えない日々

ひとりの生活。その2。

トオルくんと出会って
2回めの12月。
また、冬がやって来た。

あれから3ヶ月経っても
相変わらずトオルくんとは会っていない。

私の生活はそのままで、
変わったことといえば、
観光案内所の手伝いが、これからのオリンピックに向かい、
外国人観光客も増加を見込めることから、
外国人観光客への『おもてなし』をどう取り組んでいくか。
なんていう、この地域の大袈裟な会議に出席させられる事になった。

やれやれ。

引っ込み思案だっていくら言っても、
他にできる人がいない。と言われて、引き受けざる終えないって言う状況だ。

会議で意見を求められると、頭が真っ白になってしまうけど、
偶然、左近さんの奥さんの沙織さんが英語力をかわれて、
中華街側の代表で出て来ているので、
沙織さんに話すつもりで、小さな声で意見を言う事が出来ているかな?

influenceは3店舗の売り上げもよく、順調そうだって聞いてホッとしている。
事務所の事務員さんは今回、広告を出して面接して決めたみたいで、
50代の主婦さんが、5時までのパートの約束で働いてくれているらしい。

その事にちょっと安心している私は、ヤキモチ妬きかな?

でも、兄を通して私の様子をトオルくんが聞いてくるらしいから
おあいこと思っておこう。


時折のライン。
少し素っ気ない短い文章は相変わらず。

すれ違ったままの兄弟。

トオルくんが時折『ピーコに会いたい。』と書いてくる。

でも、まだ、会わない事をお互いに知っている。




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