私に恋してくれますか?
私は庭に出てパーティーの準備が進んでいくのをぼんやり眺める。

早く着いたお客様は応接室に案内され、軽く食前酒を飲んだりしているようだ。

本当は私も応接室に行って、お客様の対応をした方がいいのかもしれないけど…

気分が晴れないので、外の空気を吸いに出たところだ。

まあ、応接室は両親と、兄に任せておこう。


玄関の内側で、受付の業務をしていた
秘書の水城さんと、兄の秘書の石神さんが慌ただしく、応接室に入っていく。

どうしたんだろう。

父と兄が応接室から出てきて私のいる庭に向かってくる。

父は不機嫌な顔だけど、兄は笑っているみたいだ。

「雛子、トオルが来た。
裏庭の柵を乗り越えて庭に入ったみたいだ。」とクスクス笑っている。

私も慌てて裏庭に向かう。兄が

「先生がが呼んだのかな。
裏庭の警報切っておくよう三好さんに言っておいたみたいだから…
モニターを三好さんが見ていたら、トオルが柵を乗り越えたのが映ったみたいだ…。」と笑っている。

< 162 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop