私に恋してくれますか?
「つぐみちゃん。じいじだよー。」とデレデレと目尻を下げてベビーベッドを覗き込む父に

「つぐみ、パパだよー。」とベッドの反対側で張り合うトオルくん。

やれやれ。

家に連れて帰れるんだから
じいじに譲ってもいいんじゃないかな。

ふと、父は顔を上げ、

「なんで、つぐみって名前をつけたんだ?」と私を振り返る。

「トオルさんがつけました。」と言うと、

「トオル、なんでだ?」と父が聞くと、

「やっぱり、雛子にちなんで鳥シリーズかなって思って。
男の子は『鷹也(たかや)』女の子は『つぐみ』。」とニカッと笑う。

…やっぱりか。
私は可笑しくなって下を向く。

父は眉間に思い切りしわを寄せて、

「トオル、おまえは雛子の名前を鳥の雛だと思っていたのか?!」と怒りを抑えた静かな声で聞く。

「え?!違うの??」

とトオルくんは驚いた顔で目を見開く。
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