私に恋してくれますか?
トオル君の家。
と言われて連れて来られたのは、私の家の最寄駅からさらに横浜から2駅離れた所。
駅のロータリーの向かいにある、二階建ての古い一軒家だった。
「ここの1階が仕事場で、2階に住んでいる。
ピーコにひと部屋貸してやるよ。
金も持ってないんだろ。
まあ、次の給料日まで貸してやるよ。
確かネーチャンがいただろ。
着替えとか持って来てもらったら。」と言いながら、

「ただいまー。」と『五十嵐』と『influence(インフルエンス)』と並んだ表札の玄関のドアを開けた。

「流行?」とつぶやくと、くすんと頷く。

玄関の奥のドアを開けると20畳くらいのリビングと思われる場所に小さな4人がけの応接セット。
パーテーションを挟んだ奥に事務机が4つ並んでいる。


「おかえりー。」という机にそれぞれ座った2人の男の人が顔を上げた。

私を見て、少し驚いた顔をするけど、

「トオルの新しいオンナ?」と笑いながら聞いてきたのは
体の大きなクマっぽい柔らかい笑顔の男性と、

「早くねー?」と不機嫌な顔で首を振る細身の神経質な表情のメガネの男性。

「ちげーよ。
幼馴染を補導してきただけ。
家出して、帰るところがないんだ。」と笑って、私の顔を見た。







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