私に恋してくれますか?
翌日。
朝起きて、ジャージから着替えて(部屋着だけど。)顔を洗って、いると
「ピーコ、おはよう。」と欠伸をしながらぼんやり言って、
寝癖ついた頭で、Tシャツとパジャマのズボンを履いたトオルくんが
私の後ろを通ってトイレに入って行く。
距離が近い。
2階は洗面の隣がトイレだ。

「おはようございます。」と言いながら、慌てて部屋に戻る。
トオルくんの寝起きの子供っぽい顔にドキドキする。

私は1階で洗面と、トイレを使おう。
仕事の時は2階に上がればいいか…
とチョット考える。

息を整え、1階に降りると、
トオルくんがそのままの姿でコーヒーメーカーのスイッチを入れていた。

「ピーコも飲む?」と私の顔を見るので、頷くと、
「マグカップ2個出して。」と食器棚を指差す。

私が棚を覗くと、
「青が俺の。黄色が左近。黒が桜井。ピーコは好きなのどうぞ。」と言ったので、

白を選んで、トオルくんのブルーのカップと並べると、

「ピーコも食べるだろ。」
とオーブントースターに食パンを2枚入れている。

「ありがとうございます。」と言うと、

「マーガリンとジャム出して。」と冷蔵庫を指差すので、冷蔵庫を開けると、
卵が見えたので、

「スクランブルエッグ食べますか?」と聞くと、

「ピーコ作れんの?…作ってくれれば食う。」とトオルくんは笑った声を出した。

「お弁当を持って仕事に行っていたので…少しは料理が出来ます。」
と言いながら、卵を2個と、牛乳とバターを出すと、

「昼飯作りの助手が出来て、左近が喜ぶな。」とトオルくんは笑った顔を見せた。

少し嬉しい。

トオルくんと向き合い、
私の作ったスクランブルエッグを添えて、食パンとコーヒーで朝食を食べた。





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