強引専務の甘い手ほどき
キサラギさんと抱き合った後に、
私は少し、躊躇しながら、
「キサラギさん、避妊って私がピルを飲んだほうが良いですか?」と思い切って聞くと、
不思議そうな顔をして、
「なんで?俺がしてても心配なの?」と聞くので、
「そ、そうじゃなくって…キサラギさんが…そのまましたいって」と言うと、
クスクスキサラギさんは笑い、
「そっか。わからなかったか。
俺はいずれはこどもが欲しいなって。
カエデってこどもって欲しくないのかな。って
sexしてれば、可能性は0じゃないって思うし…。
遠回しに聞いてみただけ。」と言って、私を抱きしめ、

「本当はね。
カエデが俺の子どもを妊娠したら、
俺から離れていかないだろうって
そうも思った。
でも、拓也にそう言ったら、
今、カエデを妊娠させたら
sexってしばらくできなくなるって言われてさ。
まだ、好きなだけカエデを抱きたいって思っちゃった。ってオチ。
でも、もうちょっとしたら、こどもが欲しいな。
俺も30歳だし、
カエデも29歳になるでしょ。
もう、オトナだし、母親になるってどう?
こどもが欲しいって思った事はないの?」と私の瞳を覗いた。

「…こどもは可愛いって思いますけど…」と考えながら言う。

キサラギさんは私と結婚する事を考えているんだろうか?

いや

ルピナスの後継者の結婚相手はふさわしい相手がいくらでもいるはずだ。

結婚せずに、キサラギさんのこどもを持つ…

ひとりでこどもを育てる覚悟が私にはあるだろうか。

「よく考えてみます。」とキサラギさんの顔を真面目に見た。

キサラギさんのこども…。

こんなに好きになってしまったキサラギさんと別れた後、
私は他の人を好きになる事があるんだろうか?


よく考えてみよう。
私にとって、
こどもを持つ
最後のチャンスになるかもしれない。
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