強引専務の甘い手ほどき
「今日付けで配属になりました。西島 楓です。
秘書の経験はありません。よろしくお願いします。」
とガチガチになってペコんと頭を下げると、

「西島さん。秘書室に配属だけど、君は室長の僕の直属。
だから、秘書業務はほどほど。書類整理。が主な仕事。
あとは、専務のアシスタントです。」
「専務のアシスタント?秘書の方がいるのに?」と聞くと、
「君じゃないと出来ない。という、社長と紺野さんの判断だ。」
と水城さんは真面目な顔をした。
「?」と思うけど、よくわからない。

専務秘書の石神さんが
「知っていると思うけど、
今年の4月、2ヶ月間に就任した専務は
日野 如月(ひの きさらぎ)。
社長の長男。いずれ、この、ルピナスを継ぐ予定だ。
ちなみに僕はキサラギの同い年の従兄。母親が姉妹なんだ。」と私の顔をみて、
「君の仕事はそのうちわかるよ。大丈夫。」と石神さんが笑った。

し、知らなかった。
だって、私みたいな販売員は人事なんか興味ないし…。
次期社長のアシスタント?
ますます緊張する。
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