乙女野獣と毒舌天使(おまけ完結)
「で、今日は、何のよう?」
雅輝は、目の前でキョロキョロと店内を見渡す男性に目を向けて、呆れがちに話す。
「ん?店内がきれいになってるな?誰か雇ったのか?」
「おやじ!なんか話あるんだろ?」
二人の目線が重なり、男性は、"取り敢えず、コーヒー飲みたい。"といい、店内のイスに座った。
雅輝は、その様子をコーヒーを入れながら、探るように見る。悠一から、会社でのことは聞いているが、肝心なことは、まだ聞いてない。なんだろうかと考えていると、目があった父親の顔が真剣に見えた。
「はい、コーヒー。」
「ああ、ありがとう。」
二人の間に沈黙な空気が、流れる。
「…結城財閥の娘とあったらしいな。父親も本人も、すごい乗り気で、挨拶に来たぞ?」
「はぁ…。ため息しか出ない…。」
「雅輝。勝手な話だが、会社をお前に任せられたらと思っている。」
「……。そう。…何でまた?今まで無理強いはしなかったのに。」
雅輝がそう言うと、父親は一呼吸おき今の現状を話してくれた。
不正な金の流れや、専務の派閥が勢いを増していること、次のウェディング企画の不穏な動き、社長を会長にして専務が社長にのしあがる計画。
「専務は、お前を利用しようとしてる。」
「悠一がそれらしいこと言ってたな。俺を形だけのトップにして、実権を握るつもりか。それには、結城財閥とのパイプが欲しいと…。」
「ははっ。流石、よく分かってるよ。」
雅輝は、悠一の話を聞いた時、父親の真剣な眼差しをみたときから、話の内容を薄々気がついてはいた。
「ぬいぐるみも最近は、注文も多いだろ?悠一くんに聞いてるよ。お前の好きな事を奪ってしまうことになる。でも、専務より先手を撃ちたい。」
「…あぁ。近いうちに、返事する。」
父親は程なくして、帰っていった。社長業も大変なんだなと思う反面、自分に出来るだろうかと言う不安、自分の生活が変わってしまうと言う不満。
自分が作ったぬいぐるみたちを眺めていると、店頭の扉が開き、悠一が訪れた。