俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

天国と地獄？

あれから一週間、自問自答を繰返し何の答えも出ないまま金曜日がやってきた。

恭一も忙しいらしく、ラインでのやり取りのみで中々話す機会もないままだった。
かといって、面と向かって今は会いたくなかった。いつもはフロアのドアが開く度にそわそわしていたが、この一週間心臓が跳ね上がる日々が続いた。

心臓に悪い一週間だった……。

ラインでもあの件にも触れてこないし、あれはあの時の冗談だった？
忙しそうだし、土曜日も仕事になりそうだと昨日加藤がフロアで騒いでいるのを聞いた。加藤が出勤するならば恭一もするであろう。


どうしたらいいのか分からないまま仕事も終了した。
結局今日も恭一は一日中外に出ていて見かけることもなかった。


時間は19時か……このまま帰ろうか。
恭一にいつものようにラインを入れようと携帯を開くも思わず躊躇する。


えっ、昨日まで何て入れてた？

『お仕事終わりました。帰ります。小早川くんも頑張って下さい』


画面上に残る前日の会話を見直してみる。


これは昨日でしょ？
週末は……と、スクロールして一週間前までたどる。

『今週もお疲れ様でした。帰ります。週末は御実家まで気を付けて下さい』


仕事が終わったときのラインは恭一から言われていたため一応毎日入れることになっていた。
普通……よね？