俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「いったっ、、、、、」
倒れこんだ時にぶつけた肩が痛むけど、庇ったおかげで少しの汚れで済んだコピー用紙が無事で良かった。
コピー用紙を床におろして、肩をさする。
あのときヒールの音がしたけれど、いつの間にか私の背後にはだれもいなかった。
いつまでも座り込んでもいられない。
コピー用紙を持ち直し、痛みを我慢しながら歩きだした。
なんとかコピー用紙を補充して必要な図面のコピーを終わらせて自分のデスクに座った。
ほっと一息ついてからさっきの出来事を思い出す。
あの時……ヒールの音がしたはずよね。
で、押されたような感覚もあった。
でも、気づいたときには誰もいなかった。
考えられることは、
1、全部気のせいで私が重みに耐えきれず自分で転けた。
2、背中を押されていじわるされた。
3、お化けに押されていじわるされた。
……私的にはおもしろいから3がいいけどな。
でも、きっと2番が正解で私は誰かから疎まれているって事よね。
はぁ…怖いな。
階段じゃなくて良かった。