俺様御曹司による地味子の正しい口説き方


ベットの上で寝転がって、仰向けに寝ている恭一の胸の上で向い合わせのように乗せられて。片方は腰を押さえて、背中を叩いていていた手は頭を撫で、目尻の涙を親指で拭き取られた。

興奮して、染まる頬。
潤む瞳。
自分がどんなみっともない顔をしているのか想像もつかなかった。

眉を寄せて、困ったように恭一を見た。

「………………ッ、」

息を飲む音がして、いつの間にか後頭部に回っていた手が頭をグッと押してきた。

ぶつかるように重なる唇に、キスをされていると気づくのが時間がかかった。
啄むように何度も口づけされ、ペロリと唇を舐められた。

「クククッ、落ち着いた?」

真っ赤であろう自分のみっともない顔が恥ずかしくて、ギュッと目を閉じて首を横に振る。

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