俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
「まっ、待ってませんっっ」
「連れないなぁ」
纏う空気が甘すぎて、胸焼けしそうだ。
その様子を見ていた華の眉間に皺がよる。
「うわっ、、、。気持ち悪い、何こいつ」
「華ちゃぁんっっ。助けて下さいっ」
長い前髪と分厚い黒渕メガネでほとんど見えないが、杏の瞳は涙目だ。
その小動物のような潤む瞳が真っ直ぐ華に向けられて、華の庇護欲を掻き立てる。
「はぁ、、、なんて可愛いの杏は」
うっとりと杏を見つめる。
席が隣ならば今すぐ抱き締めて上げるのに。
手を伸ばして杏の頭をせめて、と撫でる。
すると、横から杏の顎を持ち、グイッと顔を向け直し、その顔を覗き込んだ恭一が、眉間に皺を寄せなぜか不機嫌だ。
「杏?そんな顔、会社でするなんて何考えてんの?お仕置きしてほしいの?」
『お仕置き』というフレーズに体が固まる。さっきまであんなに甘かった恭一が豹変した。
えっ??
何処にスイッチがあった?